ファンタジーやSFを読む、白人ではない私

ル・グウィンのオフィシャル・ウェブサイトからリンクされている記事を目にしてから、ちょっと気になっている。モヤモヤと鬱陶しい考えが、雲霞のように湧いてはまた消えるばかりで気持ち悪いんだが、その一番底にあるのは、私は果たして、ファンタジー好きな子供であったかつても、そして相変わらずファンタジー好きな大人である今も、物語に登場する人物の肌の色や目の色−人種を示唆する−を意識したり考えたりしたことがあるだろうか、ということだ。その記事は黒人女性であるジャーナリストが書いたものなんだが、そこまで物語に政治を持ち込むなとかアレコレ言う向きもあるだろう。でも私は自分も考えてみた方がいいと思ったのだ。
LOTR始め、白人の風貌を持った登場人物が活躍する、ヨーロッパ中世を想起させる世界を描く作品に対し、私はこれまでさしたる違和感を覚える事もなく、すんなりとそこに入り込み、なんて面白いの!と楽しむだけで終わっている。記事を書いた彼女と違って、ウチの親からも何か言われた経験もない。そんなふうに没頭することが許されていたのは、私もウチの親もなんだかんだ言って、やはり甘ちゃんであり、シアワセな環境にあったということかもな、と思う。ハリポタ人気なども凄まじいようだが、ファンタジー好きな日本人でこういうこと意識して読んでる人って、果たして存在するんだろうか。