町山さんが3月13日付けの記事で、あるアメリカのTV番組を紹介しておられるのを目にする。

ハリウッド最新の特殊メイク技術で、白人一家を黒人一家に、黒人一家を白人一家に変身させ、違う人種としての生活を体験させるリアリティTVだ。

なんだかギュンター・ヴァルラフを思い起こさせるなあ。

最底辺 Ganz unten―トルコ人に変身して見た祖国・西ドイツ

最底辺 Ganz unten―トルコ人に変身して見た祖国・西ドイツ

20年前のドイツにおける移民労働者の生きる現実を描いた、なかなか凄みのあるルポルタージュなのだが、ジャーナリストというのはここまでコミットするんやねぇ、と読後に私なぞは唸らされてしまった。ヴァルラフは実際かなりの長期にわたってトルコ人の移民労働者「アリ」として生活し、その際の劣悪な住居・労働環境により健康に支障をきたしてもいる。
この本が世に出たことで、ドイツでは移民労働者の権利といった問題がリベラルな知識人のみにとどまらず、一般の普通の人々の視界へも到達し、社会の関心事として広く共有され、活発に論議されることになったという。