本屋で泣く

id:andy22さんが昨日の日記で、バースデイ・プレゼントに『ゲド戦記外伝』を貰った、と書いておられるのを読み、お、そうだった、もう出てたんだっけ、と気付く。で、本日いそいそと本屋へ足を運ぶと、やはり話題の注目作なのか、平積みになってるのを発見。早速購入した。
ゲドもこれで6作目かー。見開きに懐かしい多島海の地図が広がっている。やっぱり良いなあ。私、地図好きなんで、『指輪物語』にしても、地図が載ってるだけで有り難味がいっそう増すように感じてしまう。ああ、有り難や。
でも最初の3部作は憶えてるのに、去年読んだ『アースシーの風』、既に内容忘れちゃってるとは一体どういうことか。子供の頃の記憶は強烈ってことなのか、それとも昔のことはしっかり憶えてて最近のことを忘れるっていう、アレだろうか、若年性痴呆とかいうやつ。
本屋では、しばらく児童書コーナーをうろついてたんだが、相変わらず派手というか立派な装丁のファンタジー作品が目立つ。きっとハリポタ、LOTR効果なんだろう。
岩波少年文庫も新しい見慣れない装丁で並んでいる。数年前に一新されて、良く言えば文体が軽くなった感があるが、どことなく幼稚化したようにも思う。ま、文字が大きく見やすくなったのは良いことだ。新聞だって、つい先日気付いたんだが、いつのまにか文字が大きくなってすごく読みやすくなってるし。たまたま10年以上前の新聞記事の切抜きを目にした時、驚いたもん。その文字Q数のあまりの小ささ、一瞬老眼になったのかと。
ついでにリンドグレーンの『はるかな国の兄弟』を手に取り、パラパラ目を通してみたが、ダメだ。泣けてきてしまう。この作品、TV映画かなんかにもなってて、それがまた泣けるんだけども、今や条件反射になってしまい、タイトル見ただけでもうダメ。涙が出てくる。そしてリヒターの『あのころはフリードリヒがいた』を開いた段階で、完全にヤバくなってしまった。ハンカチを出して拭わないと、ポタポタ涙が落下してしまう事態に。本屋の一隅で、目にハンカチを当て、鼻水をすすり上げながら、立ち読みする女。怪しさ満点だったことだろう。
こんなふうに涙腺がゆるくなったのも、年齢のせいだろうか。いや、子供の頃から本屋で立ち読みしては、泣いていたな、私。傍から見たら不気味の一語に尽きるってもんだ。気をつけねば。