ペトラ遺跡のTV番組を見ていて思い出した

トルコからシリア、レバノン、ヨルダンを抜けてエジプトへ南下する予定で旅をしていたことがある。ちょうど真冬で手前のシリアが雪！と聞き、エジプトまで到達する気力が失せた。あの地域の安宿とか下手すると暖房入ってなかったりするので、冬はかなり辛いものと思われ、ペトラまで行けば多少は暖かいんだろうけどねー、ダマスカス周辺が雪降ってるんじゃ大変そうだわ、と予定変更したんだった。シリアビザ、マルチで取ってたのに勿体ない。

そもそもトルコに2ヶ月以上沈没したのがいけなかった。食べ物も口に合うし、親切な人も多いし、遺跡や観光名所も豊富だし、トルコフリークの気持ちもわからんではない。しかし私はその頃、トルコ人のしつこい凝視攻撃にうんざりしていた。くっそーお前ら、ウゼーんだよっ！悪意は無いんだろうとわかってはいても、珍獣扱いされてじろじろ見られると、女性や子供だろうと腹がたって腹がたって。全く自分は狭量な人間だと思うが、でももう面白いくらいむかつくんだな、これが。
トルコはなんちゃってモスリム率が高いとはいえ、それでもかなり性的抑圧があるんだろう、短絡的に非モスリムである日本人＝カネとセックスをもたらす良いカモ、と誤解してるんだかなんだか知らんが、親切な人だと思ってたら、おい、下心ありありやったんかい、おっさん、みたいなことにも遭遇して、私のトルコ人観はますます悪化。
こうなるともう坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという感じで、トルコ人の体臭がキツいのにも腹が立つ（ただし女性は香水つけてたりして体臭が気になることはなかったので、これは男性限定の話）。そんなこと一々気にするのも大人気ないが、そばにいるだけで素晴らしい匂いが漂ってくるので、体調がすぐれず気分が悪い時など文字通りむかついてしょうがない。イスラムって体を清潔にするのも大事な教えのはずなのに何故？シャワーとかあまり浴びないのか、でもってデオドラントもあまり使わないのか。その辺りのことは失礼かと思い、深く追求しなかったので不明。そういえばトルコ人って、多分一般に日本人が抱いてるイメージよりもずっと見た目はヨーロッパ人的で（もちろん濃ゆーい人もいる）、欧米なんかのファッションと遜色ない、おしゃれなカッコしてる若者も多いのに、ちゃんとモスリムのたしなみ？として男性でも脇と下腹部の毛を剃っており、ノースリーブ着たお兄さんが腕を上げたりすると、脇がツルツルというのは普通なんだが、これはひょっとして体臭対策の意味もあるのか？

で、まぁイライラもたまるし雪降って寒いし、もう日本帰ろう、とさっさと帰国したわけだが。

私にとってあの国は何だったのかと考えてみる。特に嫌いというわけじゃない。かといって好きでもない。要するにトルコも普通の国ということなんだろう。