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レイラ・ザーナ―クルド人女性国会議員の闘い (クルド学叢書)
- 作者: 中川喜与志,大倉幸宏,武田歩,ファイサル・ダール,イスマイル・ベシクチ
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 2005/12/10
- メディア: 単行本
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『レイラ・ザーナ―クルド人女性国会議員の闘い』をぼちぼち読み始めている。言及されているトルコ人やクルド人の名前が普段馴染みのないものだからか、どうにも覚えられずに混乱してしまい、ページを行きつ戻りつ、遅々として進まない*1のだけれど。そういえばトルコでは「〜オール」という姓がよくあるが、これは「〜の息子」という意味だ。このことを知った時、英語でもスコットランドやアイルランドの姓に「マック〜(マクドナルドとか)」「フィッツ〜(フィッツジェラルドとか)」「オ〜(オニールとか)」というのがあるけどそれと同じなんだわ、と思った覚えがある。多分トルコ語がわかれば、姓名でその人の先祖の生業や出身地、家庭環境なんかも想像できたりして楽しいだろう。
しかし現時点での拙い理解においても、レイラ・ザーナという人はまったくもって傑物なのだなー、と感じる。
↑これはレイラが獄中でしたためた書簡集の表紙。彼女は1995年度のサハロフ賞を受賞しているが、そのサハロフ博士の夫人であるエレナ・ボンネルが序文を寄せている。
↑European Voiceという週間紙が毎年EUの立法、政策議案に最も影響を与えた50人を選んでいるようで、2005年にレイラ・ザーナもその一人に選ばれたそうな。だから、これは結構最近*2の写真じゃなかろうか。きれいですな。
本書に寄稿しているイスマイル・ベシクチはトルコ人社会学者。トルコの知識人としてはおそらく唯一のクルド研究者らしい。トルコ国内でクルド人の存在を認め、支援し、研究するというのは、文字通り命懸けの仕事であり、彼は実際に長く投獄されていた過去を持つ。
そのベシクチをPKKのリーダー、オジャランが非難しているとの記事を先日見たばかり。
http://www.kurdmedia.com/articles.asp?id=12633
http://www.kurdmedia.com/articles.asp?id=12672
私は正直オジャランという人物をどう捉えるべきかわかっていない。オジャランに限らず、クルド問題について自分自身の判断を下したり、意見を持ったりするには無知無識、あまりに知らなさすぎる。ただ、記事にあるのと同じく、なんと皮肉なことだろうか、と思う。
It is ironic that the man who spent years of his life in prison for his support of the Kurdish issue now is going to be taken to court by a Kurdish party leader.