don't call it "honor"

http://www.kurdmedia.com/articles.asp?id=10594

「家族の名誉」を守るための殺人は本国のみならず、欧州に渡ったイスラム系移民の間にも見られる。でもこれはイスラムの教えに基づくというより、そこから転じて、社会の中で醸成された掟や因習−人権、特に女性の権利に対する意識の低さが挟みこまれた−とかいう問題なのだろう。不倫、姦通ってのも相手あってのことなのに、責めを負わされるのは圧倒的に女性側なんだよな。性に関わるタブーを犯さずとも、父親や夫、兄弟の定める規範に沿わないとか、彼らの言うことに従わないとかいうことで女性は簡単に制裁(要は暴力だ)を加えられてしまう。日本でもDVが問題となっているけど、これは根深い。


http://www.kurdmedia.com/news.asp?id=4906から抜粋。トルコでの"honor crime"について。

"The pressure of society on the families is too great. If the society thinks that the purity of a woman has been stained, the family is excluded and insulted if they don’t kill her. When the woman is killed, the family regains its dignity," said Kardas.

誇りとか名誉とかいう名前で呼ぶと聞こえがよろしすぎるんで、ちょっと頭を切り替えて「体面」とか「面子」と捉えれば、こんなものに翻弄されて殺人を犯すなんてことの愚がわかろうと考えたりしつつ、やはりそんなんでしのげる問題でもないよな。あの人たち、見栄っ張りで面子第一なところが強いのは確かだ。でも好き好んで娘や妻、姉妹を殺す輩なんていないのでは、とも思うし。どうなんだろう。「家族の名誉」であれ「体面」であれ、そのように称するところのものが汚され失われたと感じる時、生きていけないほどの抑圧を受けうる環境があるということなのか。例えばトルコなんて、なんちゃってムスリムな世俗国家だし縛りもゆるい方かと思ってたのだけど。あ、でもムラ社会だから共同体の締め付けは実は厳しいのかもしれない。
幾重にも張り巡らされた檻の存在には気付いても、おそらくその檻を敢えて突破せんと闘う者は少数なのだ、いつの世も。