『愛より速く』 Gegen die Wand

トルコ系ドイツ人男女の、狂気とさえ呼べるような激しく哀しい愛の物語。
今年は日本におけるドイツ年とかいうことで催されたドイツ映画祭にて上映されていたらしい。今頃知ったよ…
これ、実は昨年見たはずなのだが、私は生憎と言葉がわからなかったんで、内容を十分理解できたとは言い難い。しかも映画館で見たんじゃなく、オットーが買ってきた海賊版らしきDVDを深夜、アルコールを少々きこしめした状態で見たのだった。だからホントにいい加減で不真面目な鑑賞者であった私の記憶は相当あやふやである。それで結局最後はどうなったんだっけ、思いだせんわ、という体たらく。ただこの作品のなんとも知れない勢いと雰囲気は覚えている*1。なんだか『嵐ヶ丘』的といえばよいのか、いやー恋愛って傷つけあったりして時に苦く、恐ろしいものでもあるわなー、と戦慄しつつも目を逸らすことを許さない迫力があって。悲恋なんて形容じゃ生ぬるい。
オットーは見ている間中、ほとんど全ての登場人物に対して口汚くサノバビッチ呼ばわりしていたが。どうやら良くも悪くも怒りを呼び起こされるらしく、奴の中には私が知ることのできない深い海溝が走っているのを感じたりもしたのだった。
この作品はベルリンで金熊賞を獲っており、日本では今秋公開されるとか。当然日本語字幕だよな。となれば今度こそちゃんと鑑賞すべく見に行こうかしら。

*1:また主演の女優がなかなか素敵なのだ、正統派美人というのとは違うんだろうけど。特に後半、髪切ってからが個人的にはツボ。