食いしん坊バンザイ

先日、外出した折に「本のバーゲン」なるものに遭遇し、お菓子とかチーズの本ばかりドドッと買いこんだ。いやー、レシピって見てるだけでホント、想像力刺激されるわー。この材料は抜いてアレを代用して…と自分なりのアレンジ(手抜きとも言う)なんぞが頭の中を駆け巡る。
桐島洋子だったか、聡明な女は料理が上手いとかいうタイトルの本があったはずだが、ま、本当に聡明さと料理の腕が比例するのか、その真偽はともかく、どういう材料を使い、どのような調理法で料理するか、ってのは人のすなる表現行為としてかなりスゴイものの一つだと思う。その人の過去、歴史を含めて全てが見えてしまうという点なんて特に。だって想像力/創造力もさることながら、本人のこれまでの食にまつわる諸々の体験といった、極々私的な事どもが関わってくるわけで。文化・歴史的背景とかは言わずもがな。本棚(というか所有してる書籍類)を見るとその持ち主の人となりがわかる、と言うけど、それに通じる部分があるように感じる。で、ウンチク垂れちゃって何を勘違いしてるんだか、驕ってるふうな感じ悪い輩は問題外だとして、料理作るのも食べるのも好き!っていう人に対し、私は自動的に好ましい印象を持ってしまう。

レシピ本じゃない、単なる小説でも食欲に訴える部分があるものって魅力的だ。そのくだりを読んでる内に思わずウマソー!と垂涎モノでそそられてしまう本って好きだわ(私だけじゃないはず)。NHKの番組で物語の食卓を再現するっていうのがあり、同好の士は少なくないぞと思っているんだが。
美味しそうな描写が記憶に残っているのは、私の場合、ローラ・インガルス・ワイルダーの一連のシリーズか(ここで池波正太郎とか出すとカッコイイんだろうが、あいにくと読んだことが無く…)。ローラの描くグレービーとかパイとかにやたら憧れていた幼い私に対し、母曰く「あれはローラの説明が上手いから美味しそうな感じがするだけで、実際はたいしたモノじゃない」。その後アメリカで実際に食してみて、母の言う通りだ、ああ、憧れは憧れのままにしておいた方が良かった、という真理?に触れ、これで一つオトナになったわ、なんてこともあったものの、でも食べ物の描写にぶつかるとワクワクするのは相変わらずだ。