世界最古の都 ダマスカス

シリアは行ってみたいと前々から思っていた我が憧れの国である。私は手前のトルコで寒さとウザさにやられ、シリアまでは足を踏み入れることなく退散してしまった。返す返すも無念だ。シリア大使館でちゃんとビザも取ってたのによー。多分よっぽど弱ってたんだな、あの頃の私。
この国には旅人*1の間で中東最強の宿と謳われたホテルがある。今はもう無理になってしまったらしいが、数年前は世界遺産であるローマ劇場にも泊まれた。世界広しといえど、世界遺産の建造物に飛びこみで行って泊まれちゃうなんて、ここだけだったんじゃなかろうか。かつてロレンスと共にアラブ軍が爆発してまわっていたヒジャーズ鉄道も残っており、ひなびた姿で運行を続けている。
そしてなんといってもシリアの魅力は「人」だと聞く。実際には注意しなきゃならない事やむかつく事も多々ありそうだけど(特に女性の場合)、シリア人のホスピタリティーに感動し、この国は楽しかった、また訪れたい、という声も強かった。エジプト、ヨルダンから北上する旅人もトルコから南下する旅人も、シリアではそれまでのウザさから開放され、ほっと一息つけるのだと言う。

こうした個人的な思い入れなぞ何の意味もなさない非情な決定が大国の思惑で進められてしまうのか。諦観するには早いが憂鬱は続く。