追いつめられて囲まれて

一番の問題は何なのかってーと、相手の全てを引きうけてやろうじゃないの、というオットコマエな気持ちになれないことにある。生い立ちその他諸々、彼の由って来る処には私のやる気を挫くに十分な迫力というか凄み、のようなものが詰まっているのでどうにも躊躇してしまう。同時に、でもそれってある意味刺激的で楽しいかもよ、と野次馬的な怖いもの見たさから発しているらしいもう一つの声が自分の中に存在するのも知っている。しかし躊躇う。やはり躊躇う。
所詮私はのほほんと生きてきて大した問題も無く、ずっとそれでやって来られた人間なのだ。これからもそうしてやって行ければいいと思っていたし、そうしてやって行くつもりだった。だからといってシアワセというやつを本当に実感していたわけでもなく。
そんなヌルい甘ちゃんに何をどうしてほしいというのだろう。