あ・せくしゃる

世に両性具有者のイメージは多い。だが、性の無い「無性」とでもいうべき存在についてはどうか。といっても子供だとか、性が未分化・未発達であるために「(性が具現化してない)無性」というんじゃなくて、最初から雌雄・性別の概念を離れたところに存在する者ってことなんだが。
なぜか昔からそういう存在をめぐり、あれこれ考えては気になっている。性無き者への憧憬とでもいうのか、どこか羨ましく思える部分もあって。でも、これ、想像してみるのもなかなか難しい、厄介な存在ではある。つい男か女か、どっちか寄りのイメージを無意識に持ってしまうんだよなー。性を伴わない存在って言うと、無機物になっちゃうのか?または神様とか仏様とかの超越者?いや、でも神や仏にもどちらかの性のイメージが付随してたりするし。
両性具有と違って、無性という立場には未来がつながらない、つまり一代限りであるという寂寥感や孤独感が横たわっている。時空的にも他者と切り離された悲しさ。あるいはそれは清々しさとも呼べるか。で、そこに私は惹かれる。なんとも良いじゃないの。まあ、単為生殖というのも考えられるから、一概に未来が無いとは言えないかもしれない(でもこれって性が無いってこととは違って、雄性が介在しない、ということなんだろうか、動植物の場合)。
無性という概念を扱ってるSFとか、あるのかしらん。性がスイッチする、というのは『闇の左手』とか、「逆行の夏」(大好き!)とかで読んだことあるけれど。